HubSpotは単なるCMSでも、単なるCRMでもありません。マーケティング・営業・カスタマーサービス・ウェブサイトをすべてつなぐ統合プラットフォームです。2025年のINBOUND発表以降、Breeze AIとData Hubの登場により、プラットフォームの構成が大きく変わりました。最新の全体像を正確に把握しましょう。
HubSpot を一言で表すなら「マーケティング・営業・カスタマーサービス・ウェブサイトを ひとつのプラットフォームで動かすSaaSツール」です。
多くの企業では、ウェブサイト(WordPress等)・メール配信ツール・CRM(Salesforce等)・ チャットツール・分析ツールがバラバラのシステムで存在し、 データが分断されています。HubSpotはこれらすべてを統合し、 「サイトを訪れた見知らぬ人が、顧客になるまでの全旅程」を 単一のデータベースで追跡・自動化できます。
| よくある課題 | HubSpot を使わない場合 | HubSpot を使う場合 |
|---|---|---|
| データの分断 | MA・CRM・CSツールのデータが別々 | 全ツールが共通CRMデータベースを参照 |
| 手動作業が多い | フォーム受信→メール送信→CRM登録を手動 | ワークフローとBreeze AIが自動処理 |
| ROI計測が困難 | 施策と売上の関係が追えない | フォーム送信〜商談成立まで全ファネルを計測 |
| AI活用が難しい | 別途AIツールを導入・連携が必要 | Breeze AIが全ハブに統合済みで即使える |
▶ HubSpot の統合フロー(AI時代の全体像)
全ステップが共通の Smart CRM データベース に繋がっており、Breeze AIが横断的にデータを分析・アクションを提案
▶ 2026年版 HubSpot 全体像インフォグラフィック
▶ 第0章 音声教材(NotebookLM)
HubSpotは複数の「Hub」と呼ばれる製品群で構成されています。 2025年秋のINBOUND 2025で、Operations Hub が廃止され「Data Hub」に刷新されました。 現在の正式な構成は以下の通りです。
Operations Hub は Data Hub(データハブ) に置き換えられました。 既存の Operations Hub 機能(データ同期・カスタムコード等)は引き続き利用できますが、 新機能(Data Studio・Data Quality)はData Hubブランドで提供されています。 設計書・提案書でのHub名称は「Data Hub」に統一してください。
メール・自動化・コンテンツ・広告
商談・パイプライン・見積もり
カスタマーサポート・チケット
ウェブサイト・ブログ・LP構築
データ統合・品質管理(旧 Operations Hub)
決済・見積・請求(強化中)
Marketing Hub ↔ Smart CRM の連携が最も重要です。
フォーム送信データはCRMに自動登録され、Marketing Hubのワークフロー(またはJourney Automation)が起動します。
データの品質管理はData HubのData Quality機能を活用し、
重複や空白プロパティを自動修正できるようになりました。
2025年、HubSpotはすべてのAI機能を「Breeze(ブリーズ)」ブランドに統合しました。 Breezeは「アシスタント」と「エージェント」の2層から成り、 CRM全体を横断して自律的にタスクを処理するAIチームメンバーとして機能します。
従来のAIはコンテンツ生成程度の用途でしたが、BreezeはCRMデータを読み書きし、 ワークフローを起動し、外部情報を調査し、見積もりを自動作成するなど、 実業務のアクションまで担います。
Breeze Assistant(アシスタント):チャット形式でHubSpot上の作業を補佐。コンテンツ生成・データ検索・メール下書きなど。Web検索・ファイル添付・Slack/Googleとの連携が可能。
Breeze Agents(エージェント):特定業務を自律的に処理するAIワーカー。人間の指示なしで24時間稼働し、CRMデータの更新・リードへのアウトリーチ・サポート対応などを実行する。
24時間365日稼働のフロントオフィスAI。チャット・メール・WhatsApp・Facebook・音声チャンネルで顧客対応。問い合わせの50%以上を自動解決。CRMコンタクトプロパティを最大10件読み書き可能。
24時間稼働のBDR(ビジネス開発担当)AI。ターゲットアカウントを自動リサーチし、バイイングシグナルを検知し、パーソナライズされたアウトリーチメールを送信。前四半期比94%の採用増。
ランディングページ・ブログ記事・ポッドキャスト・ケーススタディをCRMデータと実際のオーディエンスインサイトを元に生成。ブランドガイドラインを学習させてカスタマイズ可能。
サポートチケット・通話・メールから未解決の知識ギャップを自動検出し、ナレッジベース記事を自動生成・更新。Customer Agentと連携して回答精度を向上。
「競合製品を使っている見込み客はどれくらいいるか」などの複雑なCRM分析クエリに自然言語で回答。内外部データを横断的に調査・レポート生成。
カスタムAIエージェント・アシスタントをノーコードで構築・管理するワークスペース。Breeze Marketplaceでは他社製エージェントの発見・インストールも可能。
| 機能 | Starter | Professional | Enterprise |
|---|---|---|---|
| Breeze Assistant(基本) | ✅ 利用可 | ✅ 利用可 | ✅ 利用可 |
| Content Agent | — | ✅ Marketing Pro+ | ✅ |
| Customer Agent | — | ✅ Marketing/Service Pro+ | ✅ |
| Prospecting Agent | — | ✅ Sales Pro+ | ✅ |
| Data Agent | — | — | ✅ Data Hub Enterprise |
| Breeze Intelligence(リード強化) | — | ✅ クレジット消費 | ✅ クレジット消費 |
Breeze Agentsの一部機能は「クレジット(Credits)」消費モデルで動作します。 プランに応じた月次クレジットが付与され、エージェントの実行回数・リード強化件数などで消費されます。 大量運用を検討する場合は事前にクレジット消費量の見積もりを行ってください。 想定外のコスト増を防ぐため、導入初期は利用上限を設定することを推奨します。
HubSpotのプランは各Hubごとに設定されており、 どのHubのどのプランを契約するかによって使える機能が大きく変わります。 2025年以降は「Smart CRM」というプランが新設され、従来のCRM Enterpriseの機能をより明確に提供しています。
| 機能 | Starter | Professional | Enterprise |
|---|---|---|---|
| ワークフロー自動化 | — | ✅ | ✅ |
| Journey Automation | — | ✅ | ✅ |
| リードスコアリング | — | ✅ | ✅ |
| Lookalike Lists(AI) | — | — | ✅ |
| Customer Agent(Breeze) | — | ✅ | ✅ |
| Content Agent(Breeze) | — | ✅ | ✅ |
| カスタムオブジェクト | — | — | ✅ |
| 階層型チーム・フィールドレベル権限 | — | — | ✅ |
ワークフロー自動化・Journey Automationは Marketing Hub Professional 以上でないと使えません。 CMS Hub Professional を契約していても、Marketing Hub が Starter のままだとワークフローは使えません。 HubはそれぞれのプランとHubが独立して課金されています。 Breeze Agentsも同様に、対応するHubのProfessional以上が必要です。
HubSpot CRM のデータは「オブジェクト」という単位で管理されます。 オブジェクトはデータベースのテーブルに相当し、それぞれが独自のプロパティ(フィールド)と レコード(行)を持ちます。オブジェクト同士は「アソシエーション(関連付け)」 で繋がっています。
| オブジェクト | 概要 | 2025年の変更 |
|---|---|---|
| コンタクト | 個人の見込み客・顧客情報 | Breeze Intelligenceによる自動エンリッチメント強化 |
| 会社 | 企業・組織情報 | CLV(顧客生涯価値)カードがレコードに直接表示 |
| 取引 | 商談・営業プロセス | Deal Insights AIカードで商談リスクを自動分析 |
| チケット | サポート・問い合わせ管理 | Customer Agentが50%以上を自動解決 |
| リード(Leads) | 営業前の見込み客管理 | 🆕 名称変更・オブジェクトOFF が可能に |
| カスタムオブジェクト | 独自業務に合わせたオブジェクト | Enterprise向け(変更なし) |
「Leads(リード)」オブジェクトは名称を自由に変更できるようになりました。
マーケティング部門と営業部門で「リード」の定義が異なる場合に、チームの用語に合わせた名称に変更できます。
また、Leadsオブジェクト自体を完全にオフにすることもでき、
Leadsを使わない運用をしているチームはCRMをシンプルに保てます。
設定場所:⚙️設定 → オブジェクト → リード → 「名称変更」または「無効化」
2025年以降、Smart CRMではデータの表示形式を自由に切り替えられるようになりました。
| 表示形式 | 用途 |
|---|---|
| テーブルビュー | 従来通りの一覧表示。フィルタ・ソートに強い。 |
| ボードビュー | カンバン形式。パイプラインの進捗管理に最適。 |
| カレンダービュー | 日程・締め切りの把握。フォローアップ管理に便利。 |
| マップビュー | 訪問先・顧客の地理的分布を可視化。フィールドセールスに有用。 |
HubSpot の管理画面は上部ナビゲーションバーから各Hubにアクセスします。 2025年以降、AIアシスタント(Breeze)のボタンが常時表示され、 どの画面からでもBreeze Assistantを呼び出せるようになっています。
| メニュー項目 | 主な機能 |
|---|---|
| 連絡先(CRM) | コンタクト・会社・取引・チケット・リード |
| マーケティング | メール・フォーム・LP・広告・ブログ・ワークフロー |
| 営業 | 取引・タスク・見積もり・Sales Workspace・商品 |
| サービス | チケット・ナレッジベース・ヘルプデスク・カスタマーエージェント |
| コンテンツ(CMS) | ウェブサイトページ・ブログ・LP・デザインマネージャー・HubDB |
| データ(Data Hub) | Data Studio・Data Quality・インテグレーション・カスタムコード |
| レポート | ダッシュボード・レポート・アトリビューション |
| ⚙️ 設定 | ユーザー・プロパティ・インテグレーション・AI設定・請求 |
| ✨ Breeze | 全画面から常時アクセス可能なAIアシスタント |
| # | 確認内容 | 確認場所 |
|---|---|---|
| 1 | プラン・Hub構成の確認 | アカウント名クリック → アカウントとサブスクリプション |
| 2 | Breeze Agent の稼働状況 | 設定 → Breeze → 各エージェントの有効/無効 |
| 3 | カスタムプロパティの確認 | ⚙️設定 → プロパティ → コンタクト |
| 4 | 既存ワークフロー・Journey確認 | マーケティング → 自動化 → ワークフロー / ジャーニー |
| 5 | Data Quality スコアの確認 | データ → Data Quality Command Center |
| 6 | クレジット残高・消費状況 | ⚙️設定 → アカウント → 使用量と制限 |
引き継ぎ時は、従来のワークフローに加えJourney AutomationやBreeze Agentが稼働していないかも確認してください。 特にCustomer AgentはCRMデータを自動更新する設定になっている場合があります。 意図しないデータ変更を防ぐため、AIエージェントのアクション設定を必ず把握してから作業を開始してください。
2025年秋からData Hubが正式名称。Data Studio・Data Quality・AI自動クレンジングが追加された。設計書・提案書の記述を更新すること。
Customer Agent・Prospecting Agent・Content Agent等15種以上のAIエージェントが利用可能。Professional以上で使えるものが多く、クレジット消費モデルに注意。
自動化の核心はMarketing Hub Professional以上。Journey Automationも同様。プロジェクト開始前にプランを必ず確認する。
2025年10月以降、Leadsオブジェクトは名称変更・無効化が可能。チームの用語に合わせてCRMをカスタマイズできる。
テーブル・ボード・カレンダー・マップの4種類の表示形式を切り替え可能。チームの業務スタイルに合わせたビューを設計する。
既存ポータルにBreeze AgentやJourney Automationが稼働している可能性がある。CRMデータ自動更新の設定を把握してから作業開始すること。